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SHIFT SECURITY セキュリティの学び場 ニュース解説 サステナビリティへの意識、日本は世界から大きな遅れ

サステナビリティへの意識、日本は世界から大きな遅れ

サステナビリティへの意識、日本は世界から大きな遅れ
目次
  • 今回の解説ニュース
  • サステナビリティ意識と「データ保管」「CO2排出」の関係
  • 「サステナブルなセキュリティ」が行き渡るには何が必要か?

こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。

今回の解説ニュース

「持続不可能」な日本の DX ~ 中国よりもサステナビリティ経営の意識低く、調査対象中堂々最下位

富士フイルム株式会社は11月18日、日本、アメリカ、ドイツ、中国の各企業の経営層1,200名を対象に実施した「データ保管における環境課題に関するグローバル意識調査」の結果を発表した。(記事はこちら)

【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】

サステナビリティへの意識について、日本が世界に後れを取っていることが明らかになったということです。誰一人取り残さない社会を実現するために、持続可能なセキュリティについて説明します。

今回の調査によると、CO2量削減に向けた取り組みを国別に見ると、実施していると回答したのは中国99.4%、アメリカ71.2%、ドイツ67.4%、日本26.2%であったということです。

また、企業の意思決定プロセスで「環境への影響」が重要だと回答したのは、中国98.4%、米国84.0%、ドイツ78.3%と続き、日本は63.9%となり、日本の管理職は「サステナビリティ」への意識が4か国の中で最低であることが判明しました。

サステナビリティ意識と「データ保管」「CO2排出」の関係

データを保存するハードディスクが電力を消費することによってCO2が排出されます。保存するデータを減らしたり、保存する媒体を消費電力の低いものに変更することで、CO2の排出量は削減できるということです。

今回の調査によると、世界で保存されるデータ量は2020年から2025年にかけて年平均27%の割合で増加しており、それに伴いデータセンター事業者によるエネルギー消費量も2017年から2020年にかけて31%増加しているということです。つまり、DXが進み、社会が豊かになることに比例して、データ量に伴うCO2の排出量が増えてしまっていることになります。

「サステナブルなセキュリティ」が行き渡るには何が必要か?

サステナブルなセキュリティとは、人・技術・お金がなくても、セキュリティ対策ができる社会を実現することです。誰の手にもセキュリティがいきわたるために何が必要かについて説明します。

サステナビリティが重要視される背景
なぜ、ここまでサステナビリティがグローバルでは重要視されているかというと、その名の通り、このままでは地球の持続可能性がなくなってしまうからです。具体的には、CO2が排出され続ければ地球温暖化が進行し、気候や生態系に様々な悪影響をもたらすことで、最終的には我々の生活や経済に直結する問題が生じると言われています。例えば、日本でも生産性のみが優先されて公害を生んでしまった悪しき時代がありました。そこで、世界的な取り組みとして、CO2などの排出削減を共通目標とした協力が呼び掛けられているわけです。
サステナビリティの対象は社会的課題にも
サステナビリティの対象は、環境問題以外にも社会的課題が挙げられます。具体的には「誰一人取り残さない社会」の実現です。例えば、これだけ社会が豊かになっても貧困や飢えに苦しむ人が世界には一定数存在しており、さらに現在も悪化トレンドにあるということです。このような状況を無視して経済成長のみを目指していては、よりよい社会は実現できないという考え方があります。
セキュリティの世界でも生じる格差
セキュリティに話を戻しましょう。例えば「技術のある人」や「お金のある組織」だけしかセキュリティ対策ができなければどのような社会になるでしょうか?技術のある人やお金のある組織は安全と安心を得ることができますが、取り残された人や組織は危険と不安にさらされてしまいます。そして、これは例え話などではなく、今起こっている現実です。人・技術・お金がなくてセキュリティ対策ができない他の組織から、サイバー攻撃を受けてしまうサプライチェーンリスクの問題については、過去の配信で何度も触れさせていただきました。サプライチェーンリスクはセキュリティの格差によって生じる、最も大きな社会的課題の一つです。
必要とする全ての人や組織へセキュリティを届けるには
人と技術の問題を解決する方法は「属人性の排除」です。例えば、セキュリティ業界はホワイトハッカーと呼ばれる高いスキルを持ったエンジニアへ過度に依存しているため、慢性的な人材不足で、セキュリティが必要な人や組織へ十分に届けられていない状況が続いています。この属人性を排除するためには、技術を標準化して、人依存を仕組化することが必要です。この「標準化と仕組化」は、我々が創業時から持ち続けているコアバリューで、属人性が極めて高いセキュリティ業界で社会的課題を解決してきた自負があります。しかし、お金がないとセキュリティ対策ができない問題については我々も解決できずにいました。
誰の手にもセキュリティがいきわたる社会を実現するために
2022年2月22日、我々は誰の手にもセキュリティがいきわたる社会を実現するために、S4というプロジェクトをスタートさせます。S4は、セキュリティの予算が十分に確保できない中小企業が無料で使い続けられるセキュリティサービスです。セキュリティの格差を解消し、サプライチェーンリスクを根本から解決することができると信じています。しかし、今回の調査結果が示す通り、日本のサステナビリティに関する理解は、著しく遅れていることを痛感させられています。どれだけ正しいことをしていても、届けられなければ存在していないこと同じです。

それでも、最近では個人で支援してくれたり、少数ながら手を挙げてくれる組織も現れてたりと動きも出てきました。「一人じゃない」と思わせてくれることで、少しずつでも前に進むことができています。 我々は本業でサステナブルなセキュリティを目指している会社です。高品質・低価格だけではない、社会的に意味があるサービスをすべての人へ届けるために、これからもセキュリティとS4プロジェクトに命を削ってまいります。

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この記事の著者 セキュラジチーム

話題になっているセキュリティニュースやセキュリティに関する疑問を専門家の解説と個性豊かなパーソナリティたちがお送りしています。1日10分で、気軽にセキュリティの知識を深めることができます。放送は月曜・水曜・金曜の朝7時15分。

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